oitaumare’s diary

気になる裁判例を紹介

GPS捜査の適法性

最高裁平成29年3月15日

 

1.概要

  自動車を用いた連続窃盗事件のために、自動車やバイク19台に、令状を発布することなく、GPS端末を取り付け位置情報を取得する捜査を行った。

 この捜査によって得た証拠が裁判時に証拠能力を持つのかどうか問題となった。

 

2 問題となる条文

刑事訴訟法197条1項

「捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることはできない」

 

 

3 簡易判決内容

  車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付け、位置情報を検索し把握する刑事手続き上の捜査は、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であり、令状がなければ行うことができない強制処分である。 

 もっとも、GPS捜査に密接に関連しない証拠によって、有罪を認定することができることから、被告人は有罪である。

 

4 コメント

  位置情報って重大なプライバシーに関する情報で、捜査官も捜査のためといって勝手に侵害してはいけない。

 といっても、証拠にはできないが犯罪の端緒としてGPS捜査をしている可能性はある。

  今は仲間間で、簡単にGPS送れるけど、その仲間は覆面捜査官ではないのか気になるところだ。